
3回のセッションが収録されたアルバム。コルトレーンは70年代と80年代にプレスティッジから多数のアルバムをリリースしているが、どれも一度のセッションをまとめたものではなくて、複数のセッションが収録されたものになっている。これではアルバムの存在が軽く感じられてこの時代のトレーンのプレスティッジ盤を敬遠していた。ぼくはコルトレーンをインパルス盤から聞き始めたので、どうしてもアルバムに重い存在感を求めてしまう。
このアルバムは何たって1957年8月のピアノレストリオの3曲がいい。〈Like Someone In Love〉、〈I Love You〉、〈Trane's Slow Blues〉の3曲。トレーンの無伴奏ソロからスタートするところが印象的な〈Like Someone In Love〉は、静謐なスペースを創り出し、後のバラード・プレイにつながる。3曲の中では2番目の〈I Love You〉が一番いい。始めと終わりに美しいメロディーのテーマのほかは、トレーンの気迫のあるソロが展開する。こちらは後のスピリチャルな演奏につながる。唯一コルトレーン作の〈Trane's Slow Blues〉はメロディが平凡で面白味がない。
これら3曲の一月前のコルトレーンをモンクの『Thelonious Monk with John Coltrane』で聞くことができる。ワンホーンカルテットだが、モンクは例によってピアノを離れる。偶発的に生じるこのピアノレストリオの状態がとても良かった。『Lush Life』のピアノレストリオを聞くと、どうしてもモンクのそのアルバムを思わないわけにはいかない。そこでのトレーンのテンションはすさまじいまでに高かった。このアルバムではそこのところに物足りなさを感じる。
4曲目の〈Lush Life〉は2ホーンのクインテット。過剰なほどに美しいレッド・ガーランドのピアノが聞ける。そしてトランペットのドナルド・バードだが、彼が参加している必然性が分からない。ソロパートはあるがバードの魅力はここにない。前の3曲の5ヵ月後だが、コルトレーンにはプレイに質的な違いを感じる。向上し続けるコルトレーンを印象付ける。ただ、センチメンタルなプレイで余り好きではない。
最後の〈I Hear A Rhapsody〉はワンホーンのカルテットによる軽快な曲だが、57年5月とこのアルバムでは一番古いセッション。続けて聞いてくると違いは歴然。この時代のコルトレーンが日ごとに変化していたことが感じられる。
Lush Life John Coltrane
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John Coltrane, tenor sax
Earl May, bass
Art Taylor, drums
1957.8.16
John Coltrane, tenor sax
Donald Byrd, trumpet
Red Garland, piano
Paul Chambers, bass
Louis Hayes, drums
1958.1.10
John Coltrane, tenor sax
Red Garland, piano
Paul Chambers, bass
Al Heath, drums
1957.5.31






